食後に合流
 
 
 
 ボリスのもとに近寄って見ると、なにやら興味深そうに見てい
るのに気付き何を見ているのかと思い、1度立ち止まるとお互い
に顔を見合わせてから傍によっていった。
「何見てるんですか?」
「おわぁっ!??」
 隣りにちょこりと近寄っていき声を掛けると驚いたらしくびく
りと体を逸らせて短い悲鳴をあげた。
 ボリスを挟むようにして左右に立った2人は急に上がった彼の
悲鳴を聞いて吃驚と言うように目を見開いた。
「……なんで驚くの〜? 聞いただけじゃんかぁ。」
 悲鳴を上げたボリスにどこか恨めしげに言うケルトは、手の中
を覗き込もうとしきりに伸びをしていてボリスの手の中にあるも
のが気になってしょうがないようだった。
 そのケルトの様子に苦笑を零すと
「そんなの、急に横から声を掛けられたら誰だって驚きますって」
 そう言ったのだった。
 クロノスもその事については同意見だったが、それでも悲鳴は
上げないほうがいいようなきもしなくはなかった。周りの視線が
痛い。
「そういうもんかなぁ?」
「そういうものです。それよりも食べ終わったのですか?」
 ケルトの言葉に少し困り気味にそう言うと話題を摩り替えよう
としたのだろうそう尋ねてきた。
 ボリスのその問いにケルトはちょっと考えてから頷くと、ぴょ
んと飛んでボリスの手の中にあるものが見えるように掴み下にさ
げた。
「うぁ??? ど、どうしたの?」
 急なケルトの行動にボリスは訳がわからないというように目を
白黒させながら尋ねてきた。
「これ、綺麗だね。ボリスさん買うの?」
 ボリスの手の中にあるものを見てきらきらと眼を輝かせながら
尋ねていくケルトに、ボリスは少しばかり後ず去るような風を見
せながら
「いえお金もありませんし、見てるだけですね」
 そう答えたのだった。
 ケルトはその言葉にそうなの? と首を傾げてからまたそれを
眺めた。
 クロノスはそのケルトの行動に、何となくだが次に言う事が読
めたが間違っているかもしれないと思い口を閉ざしつづけた。
(いくらなんでもこれもお金出すなんて……)
「じゃぁ、じゃぁ僕がお金出すから、皆で買おうよ! ねっ」
 言わないでしょうと思うよりも先にその予想を裏付けるよう
に、というよりも予想通りの言葉を言ってきたのでクロノスは横
の少しだけがくりとこけそうになった。
 ボリスもどこか脱力したように、というよりも固まって手に
持っていたものを落としそうになっていた。
「うぁっ危ない!! どうしたんですか?」
 その落ちそうになったものを咄嗟に空中で受け止めながらケル
トはボリスの行動に首を傾げた。
 だがとわれたほうもそんな事を言われるとは思っていなかった
ので固まっているので、どう答えていいのかわからなかった。
「あ、お金なら大丈夫だよ! 元々クロノスさんが欲しいって言っ
たものや言いそうなものや、似合いそうなものがあったら買うつ
もりで沢山持ってきたし」
 お金の心配をしてるのだと、多分雰囲気で察したのだろうケル
トがそう言うとかなりの大声で店の奥にいる店主を呼んでしまっ
たので、2人はお互いに顔を見合わせるとどこか諦めたように苦
笑しあったのだった。

  
























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