甘い香りの食べ合わせ
 
 
 
 2人は店を出るボリスのどこかぐったりとした様子すら漂う背
中を見送りながらお互いに顔を見合わせると
「どうしたんでしょうね?」
 そう声を合わせて首をかしげあった。
 もちろん今しがた頼んだパフェの追加注文が原因などとは露に
も思わない2人である。わざとではなく、甘いものが大好物であ
る2人にとっては当然な事というだけの話なのだが、嫌いでなく
ともこれは辛い。
 2人はまだボリスの行動に首を傾げながら更に自分のパフェを
食べつづけていた。
「でも本当に美味しいですよね。」
「はい。苺の酸味もあって、本当に美味しい。」
 楽しげに話すクロノスににこりと笑って返しながら、ケルトも
自分のパフェをパクパクと食べていった。
「甘いのっていったらアイスも美味しいですよね。まだ寒いですけ
ど……。」
「後はパイとかタルトも美味しいよね〜。ケーキもいいけど。」
 楽しげに話しながら食べる2人は、食べる速度も半端ではなく
速い。すでに堆く盛られていたパフェも半分ほどまで減ってい
た。
 食べる速度はそのままに話し続ける2人に周りはちょっと引い
ているような感じもしなくはなかったが、2人が気にしていない
のでいいのだろう。
「ケーキいいですよね。生クリーム一杯に苺って言うのもいいです
けど、マロンがのってるのもいいですよね。それにチーズケーキ
も美味しいですよね。」
「僕は後ジャムとかも好きだな。苺も美味しいけど、林檎とかも美
味しいし、ブルーベリーも好き。」
「僕はジャムならマーマレードがいいです。苺も好きですけど、
ちょっと酸味があるのが欲しいなって思うときもありますし
ね。」
 楽しげに甘いものについて話す様子を見ても2人の甘い物好き
がわかる。この後も延々とこの会話は続けられるのだが、どう
やってもお菓子の系統の名が出され会話だけでも甘くなってしま
いそうであった。
 そして話しているうちに、食べていたパフェもなくなってしま
いちょっと顔を見合わせると、店員の女性が近寄ってきた。その
手には2人がたのんだ特大のパフェが持たれていた。
 クロノスとケルトはそのパフェをそれぞれすぐに受け取ると嬉
しそうに口に運んだ。もちろん、2人とも運んでくれた店員に例
を言うのは忘れはしなかった。
「やっぱり苺も美味しいですね。」
「えーチョコも美味しいよ〜。」
 2人ともそれぞれがたのんだパフェを食べるとそれぞれに美味
しそうに食べて感想を言い合ったのだった。

  
























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