甘い楽しみ?
 
 
 
第四夜:宝石と武器と時兎
 
 ケルトと共に昼食のバジリコやピザなどを食べ終わらせて、楽
しげにパフェを食べていた。
 目の前で2人の食べる様を眺めているボリスはどこか青ざめた
感じのする表情をしていたが、あえて何も言わずに紅茶を飲みつ
づけていた。
「やっぱり甘いものはいいですよね。」
「うん。幸せぇ〜。」
 2人はそう言い合いながら手元のパフェをパクパクと食べてい
たが、それ以上に声が飛び交っているのは言うまでもないことで
あり、この光景は本人達には悪いが女同士の会話にも聞こえる。
 実際はたから見れば女2人の会話に男が1人付き合っている。
ということで充分に通りそうだが、まぁ、そこはそれ本人達が気
付いていないのだからいいだろう。
 2人が食べるパフェは苺とチョコであり、その周囲に漂う匂い
は甘いの一言に尽きるのだが、大の甘党である2人にとってそれ
は全くといっていいほどに気にする事のないものだった。
「よく、食べれますね、甘いの……。」
 そんな2人に呆れきった様子でミルクティーを飲みながらボリ
スが尋ねてきたので、それに2人は1度顔を見合わせてからにこ
りと笑いあうと
「そりゃ同然だよ。甘いの好きだもん。」
「それに甘いのは別腹という物ですよ。」
 そう2人でいうとお互いに顔をつき合わせて「ねー。」と言い合
うと再びパフェを食べ始めた。
 その光景に完全についていけなくなったボリスはとうとうだん
まりを決め込んでしまった。
 そのボリスの様子に気付かずに食べているとふとケルトがクロ
ノスの方を見ると
「ね、ね。クロノスさんのパフェ、美味しい?」
 そう尋ねてきた。
 表情は明らかに興味津々と行った感じで、クロノスはそれに
ちょっと微笑み返すと
「ええ。美味しいですよ。ケルトさんのも美味しいんでしょ?
 ね、食べあいっこしません?」
 そう尋ねた。
 ケルトはその提案に驚いた表情をしてからうん。と頷くと、ク
ロノスはそれに笑って、自分のパフェをケルトの方へと少しずら
した。先にどうぞというつもりだったのだが、ケルトはそれに対
し自分のパフェもクロノスの方へと少しずらした。一緒に食べよ
うということらしい。
 それに答えるようにズ分のスプーンを手に取るとお互いのパ
フェを1口ずつ掬いそしてお互いに食べあった。
「チョコも美味しいですね。」
「苺も意外と酸味が生クリームの甘さにあっていておしいです。」
 幸せそうに笑って言い合うとケルトが言いづらそうに考えなが
らクロノスを上目遣いに見ると口を開いた。
「ね、もう1つ食べてもいいかなぁ?」
「チョコを?」
「うん。」
「そうですね。お金を出すのは状況を考えれば僕ではなくケルト
さんですし、実を言うと、僕も苺たのみたくなっちゃいました
し……。」
 お互いの顔を確かめ合うように見合ってから、ケルトが店員を
呼ぶと
「すみません。特大チョコパフェと特大苺パフェ追加でお願いし
ます。」
 そう言って店員に言うとボリスが青白い顔をした
「わり…………ケルト、俺、出るわ……。」
「店の外にですか?」
 火有の突然の言葉にもすぐに反応を返すように顔を上げて尋ね
てくるケルトに、1つ頷いて答えると、正面に座っていたボリス
も同様にやや青ざめた顔で立ち上がった。
「すいません、ケルト君。僕も外に出ていますね。」
「店の外にですか?」
 ボリスの突然の言葉にもすぐに反応を返すように顔を上げて尋
ねてくるケルトに、1つ頷いて答えると
「とりあえず、ほら、此処に入る前に見つけた、パワーストーンの
店? あそこ行ってます。」
 そう言うとケルトはちょっと困ったように首を傾げてから
「解かりました、困った事になったら呼びますね。」

  
























SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送