火有はケルトに引っ張られながら刀の置いてある場所の前にい
た老人の元へいくとケルトは火有が持つ槍を指差して
｢おじいさん、これいくらですか？｣
と火有の反応を考えることなくすぐに肩に担がれた槍に視線を
向けると、またにこやかに老人に金額を尋ねてきた。
老人もケルトの急な問いにも笑みを変えることなく頷くと
｢そうじゃの、全部で６５００リランといったところじゃの｣
そう答えた。
火有は全部という言葉の意味が解らず首をかしげた、なぜなら
彼が持っているのは槍１つだけでそれ以外にはボリスもケルトも
何も持っていないはずなのである。そんなことを考えている間に
にケルトがさくっと金額を払ってしまっていたのでそちらに気が
ついてまた固まってしまった。
｢ケ、ケルト？ さっきも言ったけど払ってくれなんて……｣
ケルトのすばやい行動にあわててそう声をかけるがそれにも平
気、平気と反してきて聞く耳持ってくれずな状態でそれにうつむ
くと深くため息をついた。これはどうあっても聞いてもらえそう
にはなかった。
そんな火有の様子に首をかしげていたケルトだが、外に視線を
向けると
｢じゃぁ僕先に出てるね。ボリスさん外で待ってるし｣
そういって先に外へと出て行ってしまった。
火有はそんなケルトの後姿を見送りながら１つ深いため息をつ
くと老人に１度頭を下げて出て行こうとした。
｢待ちなされ。ほれ、これは選別のようなもんじゃいずれ必要にな
る、もってけ。｣
火有を呼び止めその反応に笑みを深めてそういうと、黒光りす
る鉄の塊。それをよく知っているものが見ればすぐにわかるいや
解らなければおかしいもの、銃を火有の手の中へと渡してきた。
渡したというよりは押し付けたのだろうか。
｢ちょ、待てよこんな｣
火有からしてみれば犯罪に使うようなかなり危険な道具である
それをすぐに押し返そうとしたがそれをやんわりと押し返され
た。
｢ゆうたろ、これは選別じゃて。それにおぬしが使い方を見誤らね
ばよいのだ、難しいことではあるまいて｣
いくら火有でもそういわれては無下に断ることもできず受け取
ると深く１度頭を下げて店を出て行った。
｢あ、火有さん、早く早く｣
店を出るのと同時にケルトに呼ばれて早足で近寄るとそのまま
一緒に振り向くことなく歩いていったのだった。
−ＥＮＤ−
火有は何でこんなもの渡されたんだか
まぁいろいろ隠されてるものもあるんで注意してくださいね
火有は巻き込むほうかもしれない
