店主の老人
 
 
 
 火有はボリスをつれて槍の系統が並んだ場所に向かいいくつか
の槍を見ていたが、あまりこういう系統に詳しいというわけでも
ない火有は、その中でも自分にとって使いやすいという点に絞っ
て見ていたがそれでもよく解らないというのが本音であったりも
した。
「あんま良さそうなのねぇなぁ」
 いくつかのを見ながらそう呟くと、同行してくれてるボリスは
苦笑するして
「仕方ないですって、こればかりは相性とかもありますし」
 そう答えていくつかの槍を見ていた。
 火有もそのボリスの言葉に「解ってんだけどな」と苦笑してい
くつかの槍を持ったりしてみたがどうもしっくりこず困ってほか
を見ると、周りのいかにも鋼というような色の槍とはことなり完
全に黒い色で形状も違う槍が有りそれを手にとって見た。
「これは?」
 火有はその槍に触れたとき呼ばれたような気がして軽く振って
みると手にしっくりと馴染んで、まるで元から火有のために造ら
れたような感じがしてなぜか安心できた。
「これ良いな」
 その槍をきにいった火有は軽く振りながらボリスに笑っていう
とボリスもそれに笑みを浮かべて頷いた。
 ボリスから見てもその槍は火有のよく合っているような気がし
たのだ。
「この槍なんていうんだろうな」
 そして改めて槍を見ながらそう呟くと周りを見た。先ほどの少
年でなくとも誰か店員のようなものはいないのだろうかと思った
のだが、すると店の奥のほうだろう扉から1人の老人が出てきて
それに気づくと、その老人を呼び止めた。
「何かの?」
 老人はすぐに火有の元へと近寄ってきてくれてそう尋ねてきた
ので火有はすぐに笑みを浮かべると、自分が持っている槍を示し
「なぁ、これってなんていう槍なんだ?」
 そうたずねた。
 あまりにも単刀直入な問いに老人は少し笑みを深めると
「それはのヴェルバーンという槍じゃて、気にいったのならつれ
てってやりなされ」
 そう槍の名前を教えてくれた。
 ボリスはその槍の名前に「へぇ」と覗き込むと老人に「ありがと
うございます」と名前を知って喜び礼を言い忘れてしまっている
火有に代わって老人に礼を言ったのだった。
 老人はそのボリスの言葉に「ええよ、ええよ」というとゆっく
りとした足取りで別の場所へと歩いていった。
 その方向は誰もいない杖のある場所だったが、2人は多分商品
を見回っているのだろうと結論付けたのだった。

  
























SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送