教皇合流
 
 
 
 クリスティーアの話では速くても合流は明日と聞いていた教皇・
ルクールドラメールがそこにいることに驚いて声を失って立ち尽
くしていると、彼女の方も急に押し黙ってしまったローグに近付
いてきた。
「祭司様? どうなされました?」
 ローグのすぐ前で立ち止まったルクールドラメールは不振そう
に尋ねてきた。
 そのことでやっと目の前にいるのが似た人間でもドッペルゲン
ガーでもない、間違いなく本人だと認識できたローグはすぐに
「あ、ああ。いやなんでもない。
 意外な場所でお会いしたものだから、驚いてしまって」
 そう答えた。
 さすがにドッペルゲンガーかと疑っていたなどとは言えなかっ
たのだ。
 そのローグの返答に「そうですか? そうですね」と納得したよう
に頷きながら言うと、改めてとでも言うように店を見渡すと
(わたくし)自身このような店でなくても1人で、と言うべきかそもそも買い物自
体するのは初めてですから驚かれるのも無理ありませんね」
 そう苦笑気味に答えた。
 ローグもそのルクールドラメールの答えに納得したように頷く
だけで答えると、せっかく純粋な人間がいるのだから龍人の自分
では分からない買い忘れがないか確認してもらおうと考えた。
「ルクールドラメール殿。
 あの、先程買ったものなのだが私では分からぬものもあるので
一応必要なものは揃っていると思うのだが、確認していただけな
いか? ない場合は買い足すので言って欲しい」
 ルクールドラメールに先程買ったばかりの野宿道具の入った袋
の中身を指し示しながら頼んだ。
 頼まれた彼女もそのあたりのことはよく承知しているのか快く
確認してくれた。
 先ほど買ったものをみて、ルクールドラメールは少し考えるよ
うに口元にておやりながらいかにも女性というような仕草で小さ
く首をかしげると
「ここで買う必要のあるものはすべてそろっていると思いますよ。
細かいものになると私は騎士団のものではないのでわかりません
が、食事なども必要最低限作れるだけのものはそろっています
し、大丈夫ではないかと」
 そうローグに笑みを向けて答えてくれたので、ローグもその答
えに安心したように軽く笑みを零すと袋を受け取って店を出た。
 店の外に出ると、すぐにルクールドラメールがローグに頭を下
げた。
「祭司様、私の分まで買ってくださったようで、ありがとうござい
ます」
 急に頭を下げられてどういうことかと思っているとそういわれ
て、どうやらさっきの確認で自分の分も人数として買われていた
ことに気がついたらしく、そのことに礼を言ってきたらしいとわ
かった。
「いや、当然のことなので気にする必要はない。
 それよりもほかに買うべきものはあるか? 私では忘れがちな
ものもあるから、言ってくれると助かる」
 そういうと道の左右を見た。
 もしかしたらクリスティーアとシュヴァルツが近くにいるので
はないかと思ったのだが、どうやらそんなことはないらしくそれ
らしい人影は見当たらなかった。
「えーと、それならば薬の系統が必要ではないかと。特に巫女……
……いえ、クリスティーア様は怪我が多いようですし……」
 そうローグの問いに真面目に、しかもあまりして欲しくない分
析まで付け加えて言ってきたルクールドラメールの言葉に、後半
は当て聞かなかったことにして「そうか」と答えると
「薬品系統と食料は一応クリスティーア殿とシュヴァルツ殿が買い
に行っているはずだが、買うものも大体私のほうはそろったと思
うし合流しておくか」
 そういって、ルクールのどうかと尋ねると頷いて答えてきたの
2人を探しにその場を後にしたのでった。

  
























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