素朴な(?)疑問
 
 
 
 3人はこれからの予定を決めると、最早夜も遅いと言う事もあ
りそれぞれの部屋に戻ろうかと思ったがクリスティーアがちょっ
と待って〜と手を上げて2人に言った。
「ねぇねぇ、封地ってどんな外観なの?」
「…………………………………………。」
 2人はクリスティーアの片手をあげ挙手というような仕草で言
う言葉に、お互いに立つ途中の中途半端な姿勢と目を見開いた表
情のまま固まった。
 確かに普通であれば誰もが聞きそうな問いではあったが、彼女
の聞いた場所は普通の場所ではなく伝説の中にのみ名を残す封地
なのだ。固まるのも当然である。
 2人は暫くそのままの姿勢で固まっていたが、その姿勢があま
りにも不自然である事に唐突に気付き、改めて座りなおしたの
だった。
「その外観についてだが、知っているのは歴代の巫女姫と祭司のみ
だ。私もその外観についてはすまないとは思うが、知らない。」
 しばらく考えてそう言うと、クリスティーアは残念そうに眉を
寄せると
「そっかぁ。見つけるの難しそうだねぇ。」
 といってうーんと伸びをするように後ろに倒れる。
「はぁ、しなきゃいけないことも多いのに、面倒な事も多いなぁ。
 何で誰も知らないのよーぅ。」
 ぼすぼすと両手と足を子供のようにバタバタさせながら愚痴る
ように言う彼女に、ローグは呆れたように溜息をつき、シュヴァ
ルツはまるで珍しいものでも見るように沈黙したまま2人を交互
に眺めた。
 そんな2人の事など気にしないといわんばかりに腕を振る反動
で再び体を持ち上げると、はっきりと不機嫌といわんばかりの表
情で頬を膨らませていた。
 その表情にローグは困ったように眉を寄せ、シュヴァルツはこ
うしていると普通の少女だなと思いながらはっきりと珍しいもの
を見るように見た。もちろんすぐに相手に失礼と思いそれは改め
たが、彼女が気付いたかどうかは謎である。
「しかもさー、場所もわかんないんでしょ?
 長さんが渡してくれたあの古代遺産があってもそれって結構近
くに行かないと正確な場所ってわかんないんでしょ? 不便すぎ
よ〜。」
 これでもかといわんばかりに不平不満を言い募るクリスティー
アに少しローグは怒ったような表情をすると
「リオル様にお借りした遺産は確かに近くに行かねば正確な場所は
解からないが、何も完全に場所が解からないと言うわけではない
ぞ。
 このサティーティアから半径100km以内に必ずあるのだか
ら。」
 そう言ったのだった。
 クリスティーアはそのローグの言葉にまた後ろに倒れると「どっ
ちにしたって広いってーの!!」と文句をいったのだった。
 そのクリスティーアの言葉に2人はまたお互いに顔を見合させ
ると、ローグは困ったように眉を寄せ、シュヴァルツはどうした
ら良いのかというように小さく首を傾げたあと、ほぼ同時に苦笑
した。

  
























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