教会内部
 
 
 
 そこは確かに教会と呼ぶに相応しい造りをしていてよく見ると
窓などにステンドグラスが施されており、日の光を色鮮やかに煌
いていた。
「ふひゃぁ。きれーだねー。あの色硝子(・・・)。」
「…………………………………………ステンドグラスだ。」
 大真面目に言い切るクリスティーアに呆れたように大きく溜息
を吐いてから言い直した。
 そのローグの言葉に不満気に見上げた後、すぐに前を見て教会
に向かって歩いていった。ローグはその彼女に行動にまた1つ溜
息をついていったのだった。
 教会の扉の前には2人の教団関係者らしき人物が立っていたの
で、こで1度立ち止まると2人のうち1人が側によってきた。
「何用ですか?」
 その1人がそう尋ねてきた。クリスティーアを見ればわかりそ
うだが、それでも尋ねてきたのはおそらくそれが勤めだからだろ
うと思うと
「彼女の怪我の手当てをしに。私は付き添いだ。」
 そう答えた。
 ローグの答えを聞いてその2人は顔を見合わせて頷くと「どう
ぞ。」といい、教会の扉を開いて中へと招いた。
 ローグとクリスティーアもそれに従うように中へと入っていく
と周囲を軽く見渡した。
 教会の中は普通の教会のようにすぐに聖堂となっているわけで
はなく、広く長い通路になっていて、そこから幾つかの部屋に分
かれているようだった。また、外から見えたステンドグラスと
通った光が色鮮やかに内を照らしていた。
「へー外から見ても綺麗だったけど、中も綺麗ね。
 それに外と違って中の蒼は深くて綺麗だわ。外のみたいに薄い
のもいいけど、私はこっちの方が好きかも、なんか海の中にいる
みたいで。」
 周りをしきりに見ながら楽しそうに言うクリスティーアを見て、
同じような感想を持っていたローグは「そうだな。」と答えると、
医療区を探した。
 だが、広い建物の中で1つの区を見つけるのは初めてのものに
は難しく、やむおえず近くにいた神官らしい人間に聞くことに決
めたのだった。
「あの、申し訳ないのだが、医療区はどこにあるのだろうか?」
 近くにいた神官風の青年にそう声を掛けると、彼は少し驚いた
ような表情をしてから
「あ、こちらですよ。怪我をなさっているのはどちらの方ですか? 
先に向こうに伝えておきますので。」
 というと案内をする前にそう尋ねて来たのですぐにクリス
ティーアの方だと伝えると、青年はすぐに側にいたもう一人の神
官−こちらは女性だった−にそれを伝えると2人の前を歩いて
いった。
 2人もすぐに彼の後を付いて行った。

  
























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