ブルーカルセドニー〜君がいた物語〜
序章〜全ての始まった瞬間
 
 
 

 いつも通りにはじまった朝、いつも通り誰もいない家の中で珈
琲を飲んで学校へ行くために外へ出ると、たまたま顔をあわせた
学校の生徒とあいさつをした。
「おはよ。」
「……ああ。」
 抑揚のない声でただそう答えただけで会話は終わった。彼を相
手に長い会話が成立する事がありえないと言う事はあいさつをし
てきた相手もわかっているらしく、気にとめようともしなかった。
 そんなときに周りの会話が聞こえてきた。
「なぁ、知ってるか昨日の……。」
「ああ……。今度は火有(ひあり)が消えたんだろ?」
「………………?」
 なんとなく入ってきた会話にわずかばかりの興味を示して彼は
黙って聞いていた。
「そう、それも今度は水智(みずち)の目の前でだってよ。
いきなり突き飛ばされたと思ったらそこにはもういなかったって
話しだぜ?」
「まじかよ?! だって2日前に土塚(つちづか)が消えた
ばっかだぜ!?」
 そこまで聞いて彼は何かを思い出すようにかすかに首をひねった。
 その2人とまともな面識が有るわけではないが、記憶が正しけれ
ばそんな事件に巻き込まれるようなものはなかったはずだ。あえて
言うなら
()()()()彼ら(・・)()周り(・・)()回って(・・・)いた(・・)だけ(・・)で。
 そこまで考えて、もしかしたらその光が原因かもしれないと言う
事に考えがいたった。確証はないが、可能性はこの上なく高い。
 何より彼はその手のことではずした事は1度もなかった。
 はっきり言って気味悪がられて、両親以外には嫌われていた
が…………。
 そこまで考えていると彼はふと何か変なものを見たようなきがし
て足を止めた。何故かきになり、確認しようかと考え、懐中時計で
時間を確認すると、なんとなく光のように感じたものがある筈の方
へ足を運んだ。
 おそらく、あの2人が消えた元凶だと確信を持って
「……たしか、こちらのように思ったのだが。」
 そう呟くと少しだけ木のある林のような場所に入っていった。
 周りを確認しながら歩いていたが、そろそろ戻らないと学校に遅
刻すると考え、きびすを返し元来た道を帰ろうとしたが、後ろから
何か声のようなものがした気がしてそちらに向くと、そこには金の
ような、銀のようにも見える不思議な光がすさまじいスピードでこ
ちらに向かって来ていた。
「…………っ!!」
 避ける事も、叫ぶ事もできずにその光に呑み込まれてしまった。
 気がつくとそこは真っ白な空間だった。
 上も下もわからないので、落ちているのか、昇っているのか、そ
れともとどまっているのか、さっぱりわからない状態だった。
「やぁ、こんにちは。いや、おはよう、かな? 君は不思議なモノが
見える人間らしいね。悪夢もいいね、もらっちゃおうかな?」
 彼は一瞬周りを見たが誰も見当たらなかった。ただ白の空間が広
がっていた。
「……残念だがこれは私の記憶であり、捨てるつもりも否定するつも
りもないモノだ。やる事はできん。」
 姿は見えなくとも不思議な声がした事に変わりはないので、その
意図を察するとすぐに否定の言葉をすっぱりと言いきった。
「でも辛い事は忘れたいだろう? 嫌な事は知りたくもないだろう? 
僕の手を取れば苦しい事なんて何も関わらずにすむんだよ? ねぇ、
その悪夢、ちょうだいよ?」
 なおも言い募る声に、彼は少々苛立ちを覚えながらも静かに
「必要ない。例え辛くてもそれを超えて強くなる。嫌なことがなけれ
ば、人生などつまらぬものだ。何より、苦しい事があればこそ人は
幸を知る事ができるもの。そして、これが私を作る原点であり、根
だ。私は自分を根無し草にするほどおろかではない。」
 そういい断りきった。
「だが、必ず強くなるとも、人生が楽しくなるとも、幸せを知ること
が出きるとも限らないだろう?」
 あきらめるつもりがないのか、なお言ってくる声に彼は今度は呆
れはじめていた。まるで子供の屁理屈のようだと思った。
「努力なくして強くはなれんし、人生が楽しい事のみならこれほど味
気ないものもない。そして、幸せはわかりづらいところにあり、だ
からこそありがたく感じる。当然だろう?」
 ……本当に学生か問い掛けたくなるような言葉に相手の声もあき
らめたのか怒りにも憎悪にも似た気配を発しながら「後悔しても遅い
ぞ。」と呟き消えていった。彼はその言葉に小さく、「あの時以上の後悔など、ない。」そう呟いた。そしてその呟
きと同時に体が下へ落ちるような感覚を覚え、意識がどこかへ引きず
られていく感覚と共にその白の空間での記憶は途絶えた。
 その次の記憶はまぶしい光を感じ目を覚ました時見た、見知らぬ不思議は
部屋の中だった。
「あの時以上の後悔など、ない。」
 
序章終了

これも途中までしか書いてません
舞台や登場する人物は一応主人公意外は同じです。
ただし主人公が違うので、内容同じでも対応が違うという話しになります
この話しにはほかの主人公に関するヒントも隠れてます(隠れちゃいませんけどね。実際は)
それでは、これからも末永くよろしくお願いします

 
























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