鮮やかな宝石
 
 
 
第五夜:城下探索終了
 
 武器屋を後にした3人はそれぞれに購入したものを確認するよ
うにそれぞれ持っていた袋を開いたりしていたが、ふとケルトは
クロノスが店を出るまで持っていなかった白い紙のようなもので
できた袋を持っていることに気がついた。
「クロノスさん、その袋どうしたの?」
 クロノスの腕に刻兎と共にしっかりと抱えられた包みを指差し
尋ねた。
「え? これですか? えーと、これは先ほどの店で店主さんから
頂いたものです」
 ケルトの問いにクロノスは戸惑い気味にそう答えると中を見た
そうに見上げてくるケルトに少し少し困ったように苦笑して、袋
を指差しながら「面白いものではありませんが、見てみますか?」と
尋ねればけるとはすぐに好奇心をいっぱいに輝かせた表情で頷い
てきたので袋に手を入れるとブレスレットを取りだしてケルトの
手の中に置いた。
「一応ブレスレットだと思うのですが。素人目から見ても随分高価
なものだと思うんです」
 ケルトの手の中に置いた複雑なつくりに鮮やかな緑の宝石がつ
いたそれをのせると、彼はそのブレスレットを確かめるようにし
て持ち上げたりして眺めていた。ボリスもケルト同様に興味が
あったのだろう同じように少し近づいてまじまじと見ているよう
だった。
 クロノスはその2人の反応にどう答えるべきかわからず苦笑し
たが、それはすぐにやはり高価なものなのだろうかという疑念に
変わられた、自分はあまりこういうものに縁がなかったからわか
らないが、ボリスはまだよくわからないがけるとは確実によく知
っているはずなので目利きはあると言う結論に達したのだ。
「宝飾も細かいし、造りもきれいだけど、何だろう、この緑のや
つ。見たことない宝石なんだよな」
「そうなんですか? エメラルドだと思ってたんですけど。
 珍しい宝石なんですね」
 宝石をしきりに確認しながら呟くケルトにクロノスはそう感想
を漏らすとボリスも「この宝石ははじめてみます」と答えたのだっ
た、クロノスはそれに納得したように頷きながらケルトからブレ
スレットを受け取った。
 そうやって受け取ったブレスレットを袋にしまうと、その際何
かが手にあたりなんだろうかと首をかしげてとりだしてみると、
ブレスレットと同じ宝石が埋め込まれた小さな指輪だった。
「それ指輪ですよね? どうしたんですか?」
 クロノスが袋からゆっくりと取り出すさまをまじまじと見てい
たボリスはそれを見て興味深そうに尋ねてきた。
「さぁ? あの店主さんが一緒に入れていたのかもしれませんね。
たぶん、ブレスレットと同じ宝石だと思うんですけど」
 何でこんなものが、という点は問いかけてきた相手と同じ感想
なのでどうにも答えることはできなかったが、とりあえずそう答
えておくとその指輪を右手の人差し指にはめてみたが、サイズが
違うらしく回ってしまった。それでやむなく次に中指にはめてみ
るとどうやらここに合っていたらしく綺麗にはまって緑の宝石が
鮮やかに光った。
「そういえばさ、クロノスさん」
 指輪をまじまじと観察しているとケルトが何かを思いついたの
か声をかけてきて彼は少し首をかしげると「何でしょう?」尋ね
た。
「その服もろ女物だよね? せっかく街に来てるんだから新しい服
買いに行こうよ?」
 うきうきしたようにそういってくるケルトに指輪をそのままに
しながらがら「それもそうですね」と
今自分の服を見返しながら思った。
 だから「それもいいですね」と返して自分を見上げてくる表情か
ら買いに行く決定と心の中でける論付けただのだった。

  
























SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送